我々ダイバーは水中の世界を探検できる特権を有しているのだが、水中生物からすればこんな迷惑なことはない。
フィンで彼らの家である岩やサンゴたちを傷つけてしまう事も少なからずあるからである。
これらの状態を分かりやすくたとえ話にして私はよく話している。
いきなりではあるがここでゴジラの話をしよう。
身長約100m体重2万トンのゴジラは不思議な力で敵を察知し、海からノシノシと歩き街にやってくる。
歩くだけでビルやマンションは破壊され、ゴジラとさほど変わらない大きさの別の生物(モスラとか)と戦うのだ。
彼にそのつもりはなくても、ゴジラのしっぽのちょっとした動きでさえ、我々人間、もとい地球防衛軍からすれば半端ない破壊力なわけである。
さらにはあろうことか全身の力を集約し、口からとんでもないビームを吐きだし、街もろとも巨大生物を吹き飛ばすのである。
ある意味地球は守られ、地球の壊滅は防がれたのだが、戦いの場となった街は木端微塵なのである。
未曾有の大災害と言っていい。再建するのは容易ではないのである。
話をもどそう。いや、時を戻そう!
何を伝えたかというとだ、我々ダイバーはここで言うゴジラであり、地球人はニモなのである。
ニモの気持ちはこうだ
「なんか来たー!!めっちゃデカい生物きたー!死ぬ~!足ヒレで街破壊しまくってくるって~!やばいって~」
である。しかも水中にあるはずのないエアーを口から吐き出しながら。
「なんか爆音と振動を轟かせて口からどえらいもん吐き出してるって~!!」「めっちゃ怖いって~~!」
といった具合である。我々の何気ない腕の動きやエアーの吐き出し方、身のこなしなどはニモにとってはとんでもない動きなのである。
すなわち、先述のゴジラと人間の関係である。イメージ出来たであろうか?
だからこそ、ダイバーは水中世界においてはなかなかの「ヤバいヤツ」なのである。かといって潜らないでおこうと言っているわけではない。
その被害を最小限にとどめられるよう努める必要がある。この関係を知ることから始めてほしいという事なのだ。
海やそこに暮らす生物たちとは「お邪魔します精神」を持って接していかなければならないと考えている。
かと言って神経質になりすぎる必要もない。ダイビングとは水中世界を大いに楽しむものである。窮屈になってほしくはないからね。
出来る事を出来るだけ、してあげてほしいというささやかな願いである。
もちろん勘違いしてほしくないのは、ゴジラもダイバーも悪い奴ではないと言う事である。
最後にこれだけは言わせてもらおう。
「ゴリラ」の様な力強さを持ち「クジラ」ほどの雄大さも持つことから「ゴジラ」は誕生した。
へぇ~~~!知らんかったでしょ??こんにちは、西口悟史です。