名古屋のダイビングスクール潜水屋Ti-Da

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結末や如何に・・・


今日のブログはあくまで個人的見解であり、他者を否定したりという趣旨は全くなく、事実に基づいて筆者が言の葉で表現したものである。

前回同様、今回のブログも内容はいつもに比べる幾分か長編となっており、是非とも休日や寝る前の時間に余裕がある時に読んでもらいたい。通勤時間のような短い時間で話が中座するような事になれば続きが気になって仕事に身が入らない、眠りにつけない、ご飯が喉を通らない、手の震えが止まらない、目がちかちかする、などという可能性があり非常に危険です。くれぐれも気を付けてゆっくりと読み進めてもらいたい。

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伸さんがふらふらと闇に消えていった昨夜とは打って変わり、梅雨入り前の太陽はここぞとばかりにその存在感を主張していた。

店内の気温はむしむしと湿気をはらんでおり、いよいよクーラーの使用は必須となった。

しかし、前回のブログの読者であればご承知のように、我々は霧ヶ峰を起動させる装置、いわゆる「リモコン」を見つけられずにいた。

「ないわけないやん」という気持ちでいた私はどうせ見つかるだろうと未だ軽い気持ちで考えている。

しまったところに絶対あるし、それを忘れているだけだろうし、リモコンなんて間違って捨てるわけもないからである。

だがしかし「あの人」はやはり少し様子が違う。

「なぜだ・・・向かいのホーム・・・路地裏の窓・・こんな場所にあるはずもないのに・・・・・」

「いや、これは霊の仕業に違いない・・」「リモコンが歩きだしたとしか考えられない・・もしやポルターガイスト、怪奇現象だ!!」

などど訳の分からないことをブツブツつぶやき始めた。

つぶやき伸さんだ。

私は別の場所を探しながら「んなわけないでしょーに」などと冷たくあしらっていた。

その後も一向に見つからない事により彼の中でこれは「霊的なものの仕業でしかない!」という考えはますます膨らんでいったようだ。

暑い中懸命の捜索をしているだけとは到底思えない量の汗が彼の頬を伝っていった。

こうなるともうその考えはコテでも動かなくなる。そういう意味では憑りつかれいるともいえる。

捜索も限界を迎え、リモコンを購入するという手段も検討され始めた。伸さんは断腸の思いで金額を調べたところなんと三千円を超えていた。

「馬鹿げている」そのような大金をやすやすと使うわけにはいかない。

「トリキで釣りくるわ」「吉野家何回行けんねん」「回転寿司で腹ちぎれるわ」

我々の想いはここで激しく重なり合い「絶対に見つけよう」という決意はより一層固まっていった。

ポチる前に最後にもう一度、探してみよう。こうまでして発見できなければもはや後悔はないと思えるまでやりつくそう。

とその時である。

「ぎいいええええええええええええええええ!!!!」

突如、私の背後で伸さんが断末魔のような悲鳴をあげた。

目をやるとそこにはそのリモコンと思えるものを右手で握りしめている。

rimoko (1)

私は「あったんかーーーい!笑」である。

しかし伸さんの表情からは発見できた喜びは感じられず、眉間にはしわが刻まれ目は少し潤んでいるようにもみえた。

「なぜここにある・・そんなはずあるわけがないんだ!!」彼の眼光は私にそう訴えた。

どこから出てきたのかと言うと、それはあんなに何度も探していた例の鉄製の引き出しである。その下から三段目。

rimoko (2)

「え?笑 引き出しすか? めっちゃ見てましたやん。笑」と私。

「うそやろ??ヤバい。昨日はなかったのに!これは幽霊や・・・リモコンの幽霊や!!」と伸さん。

「いやいや・・・・・笑」

絶対にただただ見落としてただけである。おそらくチラッと目には入っていたはずだが脳が認識していないパターンです。

何も、ここで私は霊的なものやそういった類の不思議な力のを、否定したいわけではない。

でも絶対もともと引き出しの中にありました。昨日もありましたね。

誰かがイタズラしたわけでもなく、リモコンがひとりでに歩いたわけでもないです。

ていうか一年前からずっとここにあったでしょう。

それを霊だの怪奇現象だの「霊的なもののせい」にしたがっています。あの久米島で名ガイドとして名をはせたこの男がです。

彼が怪奇現象だと、そう強く真剣に主張すればするほど、可愛らしくてお茶目で、私の中のオモロ心はくすぐられていきました。

ただ、「見つけられへんかっただけやン。笑」なのにです。

「なんだこれは・・絶対ヤバい奴や絶対に・・・」と震える伸さん。

横で「いやいやチャウから。笑」と私。

何はともあれ、二人合計で四日間も引っ張ったリモコン事件。出てきてよかったで済ませる話ではあるかもしれない。

しかし、是非ともこの我々の押し問答を、いや、もはや珍プレーをの空気を感じてもらえたのなら幸いである。

 

しばらくしてもブツブツつぶやく伸さん。

元気よく順調に動き始めた霧ヶ峰。気持ちのよい、涼やかな風が私を吹き抜けていった。

 

 

この話はノンフィクションであり、正真正銘の事実である。

 

ちなみに当店はスキューバダイビングの資格が取得出来るダイビングショップであり、そのお店のブログである事を今一度こちらに明記しておきます。

家電量販店ではございません。

こんにちは、西口悟史です。